鹿

今日は冬としは穏やかで暖かい。

09時過ぎ、アトリエでデザインを描いていて、ひょっと外を見たら窓から5〜6mのところに20頭近くの鹿の群れがいた。暫く見ていたがカメラを取ろうとちょっと動いたら、鹿も気付いて一斉にこちらを見る。ダリがいるベランダからは見えないはずなのだが気配を感じたダリがさかんに吠えだしたのを機に、我が家へのアプローチの砂利道をゆっくり並んで登り、その先のコンクリート橋を渡って、今度は川向こうを庭に沿って下っていった。庭で真っ昼間にこれだけの群れをみるのは初めてであった。

フリー画像写真から

鹿で思い出した。もう20数年前だったか、土砂降りの夜中に車で走っていたら、牡鹿の大きいのが車にはねられたのか道の真ん中に倒れていた。「やった」とばかり土砂降りの中に飛び出して後ろ脚を引っ張って乗っていたトラックの荷台に引き上げようとするのだが、当時乗っていたのは4WDの1トンのピックアップ車で車高がえらく高くて引きずり上げられない。抱きついて持ち上げればと思うものの、何の帰りだったかその日に限って年に一度も着ない一張羅のスーツにネクタイ姿。仕方ないので公衆電話があるところまで車を走らせ、まだ見習い大工だったシノブ君に直ぐ来るように電話し、他の人に持っていかれないように慌てて現場に戻る。10分もすれば来るはずのシノブ君がなかなか来ない。15分待ち、20分待った頃、赤い回転灯が近付いて来る。オマワリサンが下りて来るなり「今、通報があった。勝手に持っていっちゃ駄目、駄目!」。ぐちゃぐちゃへろへろになってシノブ君の所に行ったら、慌てて飛びだそうとしてヌカルミでスタックした車をウィーン、ウィーンやっていた。まだ鹿肉に希少価値があった頃の話し。

 

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