都へ

一昨日、営業活動?と照明器具の取り付けの為に上京。照明器具は宅急便にて発送しておいたので、手ぶらで高速バスで行く。新宿まで2時間40分で運賃2500円位。運転嫌いなものだから時々利用している。便を選べば大抵は2人掛けのシートに1人で座れる。新宿でカミサンに頼まれたデパートでの買い物や山道具屋を覗いてから吉祥寺へ。吉祥寺は自分が育った街だが行く度に変わっている。改札口が増えたり、改札を出て直ぐの本屋が無くなっていたりでとまどう。ホテルに荷物を置き、スズキクンとの待ち合わせまで、久しぶりの吉祥寺を歩く。相変わらず人が多く、進化人と歩くペースが違うので人にぶつかって上手く歩けぬ。

先週、富士見の別荘に時々来るミズノヤさんが持ってきてくれた『吉祥寺 横町の逆襲』を読んでいたので、久しぶりに駅前のハモニカ横町に入り込む。自分が幼少の頃はこの横町のウダガワ模型店に小遣いを握りしめて通い、中学の頃は帰りに肉屋の揚げたてコロッケを店先でよく食べた。高校の頃は山岳部の先輩がやっていた間口一間奥行き一間半のジーパン屋の留守番をよく頼まれ、大学に入ってからはハモニカ横町で翌日は必ず二日酔いになる安酒をしこたま飲んでは議論し殴り合っていたものだ。で、久しぶりのハモニカ横町は『お洒落』な路地に変わっていた。赤提灯のガタピシいう引き戸を開けると、あのムッとくる燗酒の臭いする路地ではなく、スペインやイタリアのバル風飲み屋が店と路地の境を取っ払った形で並んでいるのが目に付き、異次元としてあった『闇市』『アンダーワールド』なイメージはもう全くない。ちょっと一杯と思ったが未進化人には入りづらい店構えばかりである。

6時に約束していたスズキクンと会う。スズキクンの仕事は何だかよく分からぬのだが、昔、大きな借りがある。彼の世界観は面白い。自らを『分析屋』と称している。今の欧州問題から中国の繁栄、現代芸術批判まで機関銃の如く喋る。「何、暇だったからづっと考え続けていた」と言うが、妙に腑に落ちることがある。「今の芸術家で売れているのは、作品の善し悪し以前に『説明』する奴ばっかだよ」とのこと。帰りに「自分が『美しい』と思った物が載ってる」と言って『世界で一番美しい種子図鑑』をくれる。ホテルに帰ってから『種子図鑑』を眺め、酔った頭は宇宙へと飛ぶ。

昨日は新宿に荷物を預けた後、出張料理人にしてエラーイ人であるクボタクンの家へ照明器具の取り付けに行く。午前中に到着予定の宅急便がなかなか届かずにイライラしていたら、12時数分前にやっと届く。『和』の照明器具を作って欲しいとのことで作ったのを取り付ける。娘のアイデアで『組木』をモチーフにしたもの。

その後、昼食に湯島の創作日本料理屋に連れていってくれる。外出していた奥様も来店して乾杯。この店、前々から一度行こうと言われながら延び延びになっていたお店。美味い。料理が繊細である。懐石をいただいたのだが、ちょっと一工夫が大胆でありながら繊細である。器は料理長の兄上の陶芸家と昔友禅染をやっていたお母上の作品とのことだがこれがまた良い。昼も夜も混んでなかなか予約も取れない店らしい。
大分食事が進んだ頃、奥様から提案が。「この壁面にステンドを入れられるかしら?」とのこと。何も考えずに食べ飲むことばかりに夢中になっていたので頭が混乱する。面白そうな場所である。取り敢えずスケールを借りて採寸する。頭の中に巨大な巻き貝が浮かぶ。

食事後、慌てて3時過ぎのバスに乗るべく新宿へ。JRは事故の影響で遅れていたがどうにかバスに間に合う。ところが高速は三鷹料金所近くでトラックの横転事故があったとかで、永福ICからずっと渋滞。普通なら20分も掛からぬ三鷹料金所まで2時間弱。出発間際にペット・ボトルのお茶を買っておいて幸いだった。4時間以上掛かってやっと富士見に帰って来る。

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