お騒がせしました from サルバドーレ・オクズミ・ダリ

この度はちょっとお騒がせしたようでワン。IMG_0201(変換後)
ま、一応お礼と事の顛末を書いておかないと何言われるか分からんので、ちょっと長いけれど読んで欲しいのだ、ワン!

思い起こせば4月23日、いくら吠えても主人がなかなか朝の散歩に連れて行ってくれなかったのだワン。吠え疲れた頃にやっと主人が靴下を履いたので、ワシ嬉しくなって更にワンワンと吠えてやっと主人が開けてくれた扉を飛び出し、車の陰の木の根元で、溜まっていた物を出しながらフト周りを見たんだわ、ワン。そうしたら目の前に美味そうな草(たぶん草だと思うんだが・・・)があったもんで、主人に見つからないように一気に飲み込んだんだ、ワン。ところが急いで飲み込んだものだから食道じゃなくて、何て言ったっけ、そうそう気管に入っちまって、ワン。ゲーゲーやったんだけどこれが喉というか気管にへばりつきおって・・・主人に見つかるとまた「バカ」だの「ドジ」だの言われるもんで我慢して散歩したんだ、ワン。ところがそれ以来ワシ、「ワン」と吠えることが出来なくなっちまって、いくらゲーゲーやっても取れないし、これにはマイッタのだ、ワン。

主人は「どうせ草でも慌てて飲み込んだんだろう、ドジめ!」と、こっちが苦しんでいるのに知らんぷり。
翌日になっても苦しいのに、主人の先輩なんかが来て騒いでいて、オレのことなんか「バカな犬でさぁ」とか「ドジ!」とか言って病院にも連れて行ってくれやしないんだから。それで仕方ないからオレ頭に来てハンストに入ったって訳だ、ワン。
そうしたら25日になってもオレが何も食わないのを見てさすがに心配になったか、やっと動物病院に連れて行ってくれたって訳だ、ワン。動物病院という所には白衣を着たキレイなネイチャンがいるので割と好きなんだが、数年前には胸を大きく切られて痛い思いをしたからなぁ〜。で、今回はワシが苦しがっているのに身体中に電極を取り付けて心電図だの、写真嫌いなワシを押さえつけてレントゲンだの取られたんだ、ワン。そんでもってジャリッパゲの医者が言うには「残念です。末期肺癌です。手の施しようがありません」と言われたんだ、ワン。ワシ、ほんまは「気管にに葉っぱが引っ掛かって・・・」と言いたかったやけど、グェッしか言いよらんねん。「もうそう長くはない・・・」「肺癌は苦しむんで、場合によってはアンラク死も・・・」

ワシ、それ聞いていて段々心細くなってきたんだ、ワン。ひょっとしてワシ、本当は前から肺癌?症状が急に出たのかも・・・

「エッ、ワシそんなご大層な病気!ありゃ〜、ワシ、ほんまにもうすぐ死ぬんか?」

それから主人どもの態度が急変したのにはちょっと感動的であった、ワン。「バカ!」だの「ドジ!」だの言わなくなった上に、ワシが病気の時にしか食わしてくれなかった『お犬様用缶詰』なんて買ってきたり・・・でもワシもハンストした手前、すぐにガツガツ食うたらちょっとアレなんで、数日ひもじかったけれど意地もあってハンストを続けたちゅうわけ。そのうちミドさんというワシを可愛がってくれる女性がドライ・リンゴという今まで食べたこともない美味そうなものを持って来てくれたんだ、ワン。あんまり美味そうな匂いがするもんで思わず食べてしまったら、主人やワシの下女のくせにカミサンと呼ばれているオバさんやムスメまで「ワァ〜、食べた!」なんて喜んじゃって。本当はワシもう腹減ってひもじくて・・・もうハンスト中止!だワン。

でもなぁ、苦しかったのは本当なんだ、ワン。何せ呼吸が苦しくて、起きているのも辛いし、横になるのも苦しくて、あん時きゃマイッタ、ワン。気管に引っかかっていて吐こうにも吐けないし、息も出来ないからグェッ・グェッしか出来ない。足はヨタヨタするしで、このまま死んでしまうんかとほんまに思ったんだ、ワン。医者には見放されるしなぁ〜。三途の川なんてワシ泳ぎが得意なんでサッサと渡れるんだけど、アッチに行くよりコッチでまだ食い残した美味いものあること知ってしもうたし・・・

で、ワシ決心したんだ、ワン。こうなったら人間なんて信用しとったらイカン!自力更生!これしかない、と。ワシには野生の犬としてのDNAがちゃんと残っているのだ、ワン。ワシの野生としてのDNAと15年蓄えた知識によると、こういう時には『スギナ』と『笹の葉』が効く筈やと。ワシほんまは散歩するのも辛かったんやけど、ジリキコウセイ・ジリキコウセイと念仏唱えながら頑張ってスギナや笹の葉のある所まで歩いたんや。毎日、毎日1ヶ月、ほんましんどかったでぇ。ま、それに付き添ってくれた主人やカミサンやムスメ、わざわざ遠くの都から駆けつけてくれたムスコにも一応ちょっとだけ感謝しとくけれどなぁ。

それにしてもありゃ効くでぇ。『スギナ』と『笹の葉』!。新鮮なやつじゃないといけないし、ちょっと食べる配分が難しいんだけれど、スギナ3.4に対して笹の葉1.6くらいで食べんと効果ないんや。見てみい、1ヶ月ほどで完治や!もう何ともあらへん。ヨシユキたらいう主人の友達なんて「癌に効くといって、スギナや笹の葉をネットで売り出して一儲け」なんて言っているけど、人間のアサマシサには呆れるんだ、ワン。3.4対1.6の黄金比率も分からんくせに!ボケが!

今はほぼ全快や。それにしてもジリキコウセイ1ヶ月後、「ワン」と声が出た時は我ながら感動ものだった、ワン。声が出ないというのも不便なもんだ、ワン。主人なんて「アイツは飯、散歩しか言えない」なんて勝手に決めていやがる。普段から言ってるやろ、「もっと美味い飯を食わせろ」とか「今日はワシの好きなブロッコリーを食わせろ」とか「たまには洋食より和食!」とか「鹿肉より牛肉!」とか・・・15年も付き合ってやってるのに、まだ分からんのやから、ボケが!

ま、そうは言ってもワシ、何よりも『食うこと』が好きやねん!ハンストの効果もあって、未だにワシの好きな缶詰も毎食せしめているし、ドライ・リンゴやレタスや時にはブロッコリーもせしめているし・・・それに何たって主人やカミサンやムスメのワシへの接し方がほんのちょっと優しくなったし・・・

ただなぁ、最近気になるのは、ちょっとワシが元気そうにすると「アイツ、まだまだ世の中には美味い物があるの知って、まだ死ねないと思ったに違いない」とか「ちょっと病気になるとチヤホヤさるのを知って・・・」とか「犬には羞恥心がないからなぁ〜」とか・・・なんちゅう人間やねん!ちゃんと聞こえているっつうの!ワシ人間で言ったらもう90近いんやで。90歳!90歳やで!アンタら人間、もう少し敬老精神たらいうもの持たなアカンでぇ!

仕方ないからワシも最近は『老人力』たらいう力を発揮して『聞こえない振り』をすることにしたんや。これ便利やでぇ〜。

で、まあ一応心配してくれた人もいるようだから一言だ、ワン。

「お騒がせしました、ワン。まだまだ美味いものが食える限り生きるつもりですけん、そこんとこヨロシク、ワン!」

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