ケナゲな奴であった

一昨日のこと。

田舎のベンツことジムニーが20歳で昇天なさった。

ジムニーとの付き合いは2サイクルのジムニー、箱型のジムニー、そして今のちょっと丸くなったジムニーと27〜28年位乗り継いできたのであるが、今のジムニーはほぼカミサンが乗っていた。一度ターボの調子が悪くなって交換した以外特に大きな故障もなく、またカミサンは3度ぶつけられているのだが、まあ生きているし、ジムニーも見た目はそれほどの損傷なし。ただ富士見町は寒くて凍るので塩カルを多量に撒くのでさすがにボディー下はあちこち錆にやられていた。それでも20年よく走ってくれた。

さて次はどんな車にするか?今後の生活や仕事でどのように使うか(ステップワゴンとの兼ね合い)、後何年くらい高齢者予備軍のワタクシが運転出来るか、今後の我が家の生活様態(2人の生活)などを考えると将来的には1台の車で済ませたい・・・また最近の車の進化が著しくこれから電気自動車に本格的に代わっていく・・・、となるとそれまでの繋ぎとして新車でなくてもいいし・・・ジムニーでなくてもいいし・・・などと考え・・・結論は中古の4WDのコンパクトカーで十分となった。

それで時々ネットで調べたりしていたらちょっと興味を持たせるFitの中古が1時間くらい離れた中古車屋に出たのである。
中古車を見に行くのは30数年ぶりであるからちょっと楽しみでり、そこら中にある中古車屋もぶらっと見てこようとカミサンとジムニーで出掛けたのである。

ところがである。走り始めて20分くらいしたらいきなり「ギャァ〜」というような音が時々しだしたのである。ファン・ベルトが泣いているらしいのだが、まるで首を絞められた牛か馬のような音である。信号待ちなどでは周りの通行人や車も振り返るくらい。さて困った。途中にある修理工場も日曜日とあって閉まっているし、ファン・ベルトの鳴き止めを買おうにも途中オートバックスなどない道である。・・・?困った!
ただその先、選んだ道は交通量が少ないし・・・まっ、いいか!
で、そのまま走るが油温が上がることもなく無事中古車屋にたどり着いたのである。

中古車屋では機械油で荒れた手をしたオネーサンが牛だか馬だかの鳴き声に「大丈夫ですか?」と飛び出して来る。

で、早速Fit1.5L4WDを見せてもらう。なかなか良い車。そのオネーサンに言われなければ気付かずに見逃すような点までキチンと申告?してくれる。前オーナーは名古屋の人のようで塩カルによる錆もない。じゃ試乗してみようと15〜16Km走ってみるがなかなか調子いい。カミサンに「どうする?」と聞くと「私は車のことは分からないけれど色が良いし、オネーサンが信頼出来そう」・・・?
車屋に戻ってからは他のコンパクト4WDの車も見せてもらうがFitの方がいい。カミサンは後部座席を倒した時の広さやフラットになることに「電子ピアノを積みやすそう」と・・・

他の中古車屋は見ていないが、ま、この値段なら安い方であるし、確かにこのオネーサンが信頼出来そうなので決める。

契約書等を書き、切れる寸前の車検を取ってもらうことにする。3月22日納車となり、ジムニーも下取りに出すことにする。まあ20年も乗った車であるし、フレームの錆も酷いので高くはないが下取りしてくれることになる。
契約も終わり、帰る前にファン・ベルトの鳴きを見てもらったら「あのぅ、これファン・ベルトではなく、プーリーのベアリングがダメになったようです」とのこと。アチャ〜である。このまま牛だか馬の悲鳴を聞きながら帰るのかぁ〜と途方にくれていたら、オネーサンが「買っていただいたのだから代車をお貸ししましょう」と言ってくれる。「エッ、だって3週間近くいいんですか?」「良いですよ!」。
「前にもあったんです。うちの展示車を見た直後に動かなくなった車が。車って持ち主の様子を伺っているみたいですね」。で、結構綺麗なデミオを貸してもらう。

諏訪の町まで戻って遅い昼食を摂ろうと和食ファミレスに入ってカミサンが『カレーうどん』を注文したら「申し訳ありませんがうどんを切らしていて・・・」。仕方ない「それじゃあせいろ蕎麦」と頼んだら「申し訳ありません蕎麦もなくて」・・・
オイオイである。食べずに出る。全く今日はツイテいるんだかツイテいないんだか・・・?

それにしてもケナゲなジムニーである。ちゃんと持ち主の会話や様子を伺っていて「ひょっとすると捨てられる?」と抗議したのかお別れの鳴き声だったのか?それとも「このFitなら許す」と伝えたかったのか・・・?

まるで「遅い!」なんて言おうものなら直ぐにイジケル我が家のMacのようである。
まさか今日下取りに出すとは思いもしなかったので洗車もせずにスマヌ。

夜、玄関のステンドの影が野外のセンサー・ライトに照らされて靴クローゼットに映り込み、お葬式?のようである。

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