バキュームカー

昨日は早朝6時から共有地の鉢巻道路沿いの草刈り出払い。沿道に300人近くの人が出て、一斉に草刈機で刈るのだから1時間もすると鉢巻道路の両側は綺麗になる。毎回思うのだが、人海戦術とは凄いものである。

今日は雨の中、合併浄化槽の汚泥汲み取りに信濃衛生社さんのバキュームカーが来てくれる。なんせ我が家はアトリエがあるという理由だけで10人槽という大きな合併浄化槽を入れさせられているにも関わらず、現在はカミサンと2人だけだから大して汚泥も溜まらず、もう5〜6年ぶりの清掃である。

バキュームカー見る度に思い出すのはムスコである。
3歳の頃は何せミニカー狂いで、100数十台のミニカーの全ての名前を覚えていて「コイツは天才か?」と思ったものである。当時はワタクシの手作りの家に住んでいて、家の前は数万坪の牧草地であった。ちょうどワタクシと2階で昼寝していたのであるが、牧草地の向こうにバキュームカーが見えるとムスコは「あっ、バキュームカー!」と言って、寝転んで本を読んでいたワタクシを飛び越え、勢い余って掃き出し窓の網戸を破って落下したのである。
2階に掃き出し窓なんてと思うが、何せまだ独身の頃の手作りの家。建具は全て古材屋から集めたもので、2階に掃き出し窓があったのである。ハッと気付いた時にはムスコは丁度網戸を破って空中を飛んでいる最中。次の瞬間には音を立てて地上に叩きつけられていた。直ぐに階段を駆け下りてムスコを抱き上げたが、血も出ていない。抱き上げて暫くしてからワッーと泣き出した。
病院に電話して、これこれと事情を説明。「救急車より早いから自分の車で行く」と告げて病院へ向かう10分程の間にムスコは眠ってしまう。意識を失ったのでは心配になる。病院では救急出入り口に看護師がストレッチャーを用意してくれていて、直ぐにCTを撮る。ムスコも目を覚まして「この機械は何?」などと言っている。検査の結果「今のところは脳などに異常は見られないが念のため一晩入院して欲しい」とのことで、ワタクシが付き添って入院。落ちた時に玄関に上がる3段の板階段にアゴをぶつけたようで歯がちょっと欠けただけであった。この板階段の1枚にはヒビが入っていたのでそれが割れたのだが、お陰でショックを吸収したようであった。ただ後10cmズレていたら階段脇に置いてあった石に当たっていたところだった。
カミサンが生まれたばかりのムスメを抱いてムスコの好きそうなお菓子やミニカーなどを差し入れに来た頃にはピンピンしていて、ワタクシの車の中で寝てしまったのは子供特有の防御反応からだろうとの医者の話。
翌日の昼前に診察室に行くと、ムスコは置いてあった金魚の水槽に向かって「あっ、金魚」と駆け寄り、それを見た医者は「大丈夫。脳に何かあったらこういう動作はしない」とのことで退院となったのである。

「落ちた時には空中で羽ばたかなきゃ」と言うと、一生懸命手を広げてバタバタやっていた。

バキュームカーを見るといつも思い出すのである。

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