秋の出払い

田舎では「出払い」という村の共同作業が課せられる。年に何回かある。春や秋の主に農道を対象にした道作り(砂利道の水切り、側溝の泥上げ、草刈り、農業用水の土砂撤去等)と村が持つ共有林の伐採や草刈り、公民館周辺の草刈りなどで年に6回程ある。その他通学路の雪かきなどもある。
この「出払い」という言葉は「共同作業に参加し肉体労働を提供して払う」という事から来ている言葉のようで、反対に共同作業であるから参加しなければ「出不足金」として数千円を取られる決まりである。
またこの作業は集落の最小単位である「常会」毎に決められた丁場で行われる。

で、昨日は秋の道作り出払い出会った。杖なしで歩けるようにはなったが、鋤簾(じょれん)で側溝の泥上げなどはまだキツイが、現在の丁場は春は結構キツイが秋は楽な丁場であるし、作業後に来年の常会の役員決めがあるので、まず来年度も役員になることはないとは思うが、カミサンではちょっとである。
作業前にそれとなく「ワタクシまだ足が不自由なので本日は悪しからず・・・」とアピールしておく。

天気は良く、山が綺麗に見える。
丁場では各々が鋤簾や草刈機で作業を始める。ワタクシは刈った草を熊手で道路脇に寄せたり、途中草刈機の台数が足りないので家に取りに行く人達を軽トラの荷台に乗せて運んだりとテキトーに働く・・・
簡単な丁場なので小1時間でほぼ作業終了。これが春だと3時間は掛かるのだが、秋は楽である。

作業終了後ペットボトルのお茶が配られて休憩。

その帰りに公民館に集合しての常会会議。いつもなら懇親会で飲み食いの前にやる会議である。
冒頭、常会の金が90数万円余っているとのことで、役員報酬を出すだのの意見もあったが、コロナ禍を鑑み1軒1万円程度配ると決まる。
この金であるが、町や国からの補助金(道普請など中山間整備補助金?、雪かきに対する出払い作業の補助金?など)が常会に入るのだが、コロナ禍で懇親会などの費用が掛らずに貯金していた分である。ま、順当な配分方法である。
次に30年前から住み着いた余所者である人が「俺、常会を抜けたい」と発言。彼は現在副常会長であるから、来年は常会長と決まっているのにである!明文化した規定があるのか分からぬが、今まで常会を抜けるといったケースが無かったらしく揉める。この人(多分80歳前だと思う)、自分勝手な人であり理屈の通らない人として皆から認知されている人だから面倒臭い。喧々諤々の議論の末、今後は役を免除する上で常会員として残す?と決まる。ちょっと笑ったのは「まあそう言わずに、今までせっかく一緒に暮らして来たのだから・・・田舎ではこうやって助け合って暮らして来たのだから・・・」との意見が割合若い人から出たこと。都会じゃ考えられないだろう。
何だかなぁ〜。ま、居ない方が何かとスムースに運ぶ人なので・・・

最後に来年度の役員決め。
常会長や副常会長、衛生班長(月1回早朝の資源ゴミ収集の立ち会い)、公民館班長(集落運動会や文化祭の世話)、組世話人(常会が幾つか集まった単位で主にどんど焼き作り)、水田転作委員などなど12の役があるが、農家でも寺の檀家でもないワタクシはそのうちの9つの役の内、何年かに一度は何かしらの役を引き受けねばならないのである。ただサイワイなことにワタクシの住む常会は現在30数軒もあるし、この9つの役は全て一度はやっているので、まあそうそう当たることはないのである。
今年も無事セーフ。

帰りに持ち帰り用に豪華弁当とビールとお茶が配られ散会。
アア、ツカレタ!

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