デッキの軒先に先日カワダさんから貰ってきた柿を吊るしているのだが、毎日クロスズメバチ(ジバチ)が来てしがみついている。彼らにとっては貴重な食糧であるが、どうもこの柿に集まって来るのは「呑んべい」のジバチのようである。朝から日がな一日、干し柿にしがみついていて、チューチューだかガシガシだか干し柿を食べている。ところがである、よく見るとジバチが数匹集まっているのは、すでに干した段階でかなり熟していて、グチュグチュになっていた柿で、どうも発酵が進み酒化している実にのみ群れている。それも数匹で確かめた訳ではないが同じジバチのように見える。
で、面白いのは、ちょっと干し柿に触って揺らすと、しがみついていたジバチが下に落ちるのである。丁度その下にはデッキの手摺や薪があるのでそこに落ちるのだが、羽を下にして落ちた蜂が暫く動けないのである。
まるで失神したように暫く動かずにいて、そのうち手足をゆっくり動かし始めてもがいている。次にやっと羽を上に起き上がっても今度は直ぐには歩けない。そのうち手摺の上を数歩ヨロヨロと歩くのだが、まだ直ぐには飛べない。完全に酔っ払っている。
ある奴など暫くして飛び立ったのだが、ワタクシの目の前で地面に堕ちた。
また、夜になってみてみたら、まだ干し柿にしがみついている奴もいる。朝晩は今のところマイナス5度程度ではあるが大丈夫なのだろうか?とちょっと心配になる。そもそも真っ暗な中、巣まで飛べるとも思えないし・・・完全なアル中である!
ジバチの世界は知らないが、働き蜂は朝から一日中餌を求めて飛び回っているとしたら、中には「オレ(ワタシ)、もうや〜めたっ!子孫繁栄よりサケ!」って言う蜂がいてもちっともおかしくない。「オレ、もうこのまま死んでもええもんネ!」と思う奴だっているのだろう。
今日も薪割りの手を休めて暫く見ていたのだが、ワタクシの革手袋の上に止まったジバチが暫くして干し柿に飛んで行って止まったので、「ハハ、奴も呑んべいか」と思ったら、干し柿を吸う或いは齧ることもなく直ぐに別の方向へ直ぐに飛んで行った。
うむ、下戸な蜂、或いは「こんなところでサボってる訳にはいかない」と真面目な蜂であったのか?
暇だったら、しがな一日、紙のコヨリ(ここら辺ではジバチの蜂の子を取る為に、餌を食べているジバチの身体に紙のコヨリを付けて、それを目印にして追っ掛け、巣の在処を見つけ、巣を掘り出して蜂の子を取るのである。これを蜂追いと呼ぶ)でも持って干し柿に集まるジバチを観察すると面白いかもしれない。
