本日はカミサンの誕生日。デートすることにして、朝、まず子供達を送ってからそのまま塩尻の自動車試験場に行き、カミサンの免許更新手続き。カミサンの免許は結婚してこちらで同居してから小淵沢教習所という所で取ったのだが、これはどう考えても地域限定免許としか思えない。当時の小淵沢町には信号が一つしか無かった。ここで取った免許と車だらけ信号だらけの東京で取った免許が同一価値とはどうもおかしい。まあ、地域限定をきちんと守って諏訪地域から運転して出ないようにしているようではある。それはそうとしてめでたく何回目かの更新をしてから久しぶりに松本に行く。例によって開運堂で買い物し、パルコの本屋を覗き、山道具屋を覗き、最近は見なくなった煙草屋で禁断のブツを買い、お気に入りのイタリアン・レストラン「トリ・エ」で昼食。ここはビュッフェ・スタイルだが、ピザとパスタは沢山の種類から何皿でも注文出来る。店内の薪窯でその都度焼いてくれる。またビュッフェでは30種類のメニューがある。デザートのケーキやプリンなども全て自家製である。つい欲張ってピザとパスタ、様々な前菜にソフトクリームまで食べてしまって苦しくなる。
帰りはトヨグチさんに『マイセン磁器の300年』の招待状を頂いていたので松本市美術館に寄る。草間弥生の巨大オブジェがお出迎え。
マイセン自体あまり好きではないのだが、東洋への憧れから始まった西洋の磁器の流れがよく分かる展示で、一点だがアールヌーボーの皿の素晴らしいデザインに惹かれる。また同館の常設展で松本出身の草間弥生の作品も見る。これはお腹が一杯の時に見るべきではなかったと深く反省する。今日一番衝撃を受けたのが、やはり常設の上條信山展。卒業した高校にいらした。わたしが入った頃にはもうおいでにならなかったが、書道部の連中は贅沢にも彼の薫陶を受けていた。とにかく圧倒される。『無』『光』の前ではしばらく動けないほどの衝撃を受ける。たしか親父が上條先生からの手紙を持っていたはず。今度探してみようと思う。久しぶりの美術館に疲れて外に出て、自販機で飲み物を買おうとしたら自販機もベンチもくずかごも草間弥生だった。う〜ん。
松本散策
子孫を残すのは大変
雨上がりの暖かい日、カワラヤナギの綿毛がいっせいに飛び出した。どうにも写真では上手く写らないのだが、丁度ぼたん雪ががんがん降っている感じだ。風が吹くと吹雪のようにもなる。フランスではこの綿毛が飛び始めると「春が来た」というらしいが、そんなロマンチックなものではない。
タンポポに較べると種子はずっと小さい。綿にくるまれていて、風に乗ってずっと遠くまで飛んで行く。軽くはらえば落ちるが洗濯物にも落ちる。ダリは白くなり、ダリの飲み水にも落ちる。厄介な奴でもある。それにしてもこの種子から直径70〜80cm、高さ20mにも育つのかと思うとご苦労なことだ。
この辺で最も繁殖力の旺盛な木はニセアカシアである。数年前の秋、庭の太いニセアカシアを伐採したら、翌春そこら中から幼木が出て来た。それこそ何十本も次々と出て来る。10m離れた所にも、庭から2m下の河原にも出て来る。根っこが繋がっているのだろう。「ニセアカシアの復讐」と呼んでいる。
ついでだが、ここいらの人達は毒々しい色の花が好きなようである。県道の脇などのちょっとした空き地や、何かの石碑の回りに老人会や子供会を使ってマリーゴールドやサルビア、名は知らないがもっと強烈な色の花まで植え回る。コスモス程度なら許せるが、何とも毒々しい。景観を壊しているとしか思えない。で、我が家の庭はタンポポだらけだ。
草刈
まあよく降ったものである。台風2号の通過による被害が各地で出ている。ダリ散歩道でも古木が倒れていた。雨上がりは草がよく刈れるのであちこちから草刈機のエンジン音が聞こえてくる。子供達を駅や学校に送ってから今年1回目の草刈に重い腰を上げる。愛用の草刈機は20年ものだ。それでも福島原発よりはずっと新しい。最近の物より重いし振動も多いが、ガソリンを入れると一発で掛かる。ちなみに軽トラは昭和のものだが放射能は出さない。
庭を刈っていたら刃先で何か黒いものが動く。捕まえてみたら沢ガニだった。この時期、庭の草の中で時々見かける。
前庭・裏庭・奥庭、河原と2時間半刈り続ける。曇っていたのがいつの間にか青空となって暑い。河原の護岸脇を刈っていたら、太さ2〜3cmのニセアカシアの若木が妙にしなっている。おかしいなとよく見たら宿敵がからみついている。毎年何回も驚かされるアオダイショウだ。奴は1.5mほどもある。眠っているようだ。ちょっとからかってやろうとニセアカシアの根元をチュンと草刈機で切ったら、ニセアカシアにからみついたまま増水している川に落ち、数m流れ、堰堤を落ち、堰堤下のコンクリートのタタキでニセアカシアから離れたが、水流が強くて岸にたどりつけないまま流された。まあうちからは海までうんと遠いので、その前にちょっと下流の大きな淵で上陸するだろう。転勤と思って許してくれ。
これからまた半年、草刈 に追われる。田舎暮らしは忙しいのである。
入笠山
昨日から梅雨入り。春らしい春がないまま、ちょっと損した感じで梅雨となった。この時期としては巨大な台風2号も接近中だ。
タケザワ君のオーストラリアの友人女性3名(我々が卒業した高校に1年間留学していた。タケザワ君も1年間カウラ高校に留学していた)が昨日からタケザワ別荘に滞在中で、どこかにハイキングということで今にも降りそうだったが一緒に入笠山に行くことになった。子供達が小さい頃はよく天気の良い日に朝5時頃から登って頂上で朝食を食べたりしていたが、久しぶりに行った入笠山はスキーシーズン以外でもゴンドラが運航され、最近は町の観光スポットとして売り出し中のようだが、ちょっと整備され過ぎの感がある。残念ながらガスで何も見えないし、花も端境期で殆ど咲いていないが、幸いなことに空は何とかもっている。頂上でタケザワ夫人が作ったサンドイッチとおにぎりをいただく。
昼食後ものんびりと下り、ゴンドラ頂上駅でやっていた釜無アツモリソウの展示を見る。
住み着いた頃、たしか鋸岳に登る途中だったかに見た記憶があるが、現在は絶滅危惧種となっているようだ。ちょっと不気味な花という記憶しかなかったが、やっぱり不気味な花だった。
嬉しかったのは下りのゴンドラに乗る時に渡された熱いタオルのサービス だった。誰の発案だろうか。富士見町、なかなかやるではないか!ゴンドラを降りたら雨が降り出した。入笠山の魅力は手軽に登れての360°の展望と季節の花々で、そのどちらも得られなかったが降られなかっただけでも良しとしなければ。レストハウスで彼女達にルバーブ・ソフトクリームを御馳走になって解散。震災後、外国人観光客の居なくなった日本だが、どうか楽しい旅を!
今年の夏は暑いか?
昨日の昼前まで降った雨は、標高1700m位までは雪だったようだ。富士見パノラマ・スキー場のゴンドラ駅の下まで白くなっていた。もう黒々としていた八ヶ岳も、昨日の夕方には天狗岳が真っ白に見えた。今朝の甲斐駒も谷筋が白くなっていた。まだ朝晩ストーブの世話になっている。
今日は晴れているが明日からまたぐずつきそうである。週末には鹿島槍で逝った山岳部の後輩達の追悼山行をと思っていたが、遭難現場を望むアプローチの雪渓は続いた雨でもうズタズタかもしれない。どうも今年の天候はケシカランことにこちらの都合を無視する。
この夏はどうなるのであろう。東電の原発事故のお陰で節電・節電と言っているが、東京でクーラーをどこまで止められるのだろうか。中電浜岡原発も止まったが、この辺ではクーラーを必要としていない。30年前に比べれば夏は随分と暑くなったが、まだ扇風機で十分である。但し、たまに上京すると汗が止めどもなく噴き出る。気分が悪くなる。上着を着てネクタイをしている都会人が気味悪い。きっと進化しているのだろう。夏には上京しないで済むようにうんと注意している。南青山のバーに入れるステンドのデザインのOKが出た。思うような線が画けずに遅くなっていた。早く作らないと取り付け時の暑さは死活問題になる。そういえば京都にも行かねばならない。あそこも進化人の住むところだ。困ったことである。