再び都へ

昨日は湯島の懐石料理屋の壁面にステンドグラスを実際どのように取り付けるかを検討するために、棟梁のシノブ君と高速バスで上京する。朝は娘が文化祭でのクラス劇の練習があるから始発に間に合うように駅に送ってくれとのことで寝不足で身体が怠い。
先ず新宿にて山道具屋に寄り山靴を探す。今使っているハンワグのクラック・セーフティーの底が減り滑るようになってきたし、ミッド・ソールの経年劣化での崩壊も恐ろしい。そろそろ交換せねばならないのだが、冬に出し忘れていた。最近の靴はハンワグなら生産国のドイツに送って靴底交換するので、今修理に出しても1ヶ月以上は掛かるので今シーズンの夏山には間に合わない。カミサンも「ガイド登山もあるのだから新調した方がいいよ」と盛んに言っていた。


探す山靴の条件は、足首が悪い(ワタシの足首は両足とも骨折により変形している)のでアッパーが固くて足首のホールドの良い靴、厳冬期以外では冬靴はあまり使わないので、グリベルのセミ・ワンタッチアイゼンとの相性の良い靴、靴底のビブラム先端が今流行りのCLIMBING ZONEではない靴(最近のヨーロッパの山靴はCLIMBING ZONE付きが多いが、日本の山、特に八ヶ岳中心の山にはあまり必要がないと思う。それに靴底の減りも早い)という条件である。そんな条件で幾つかの靴を試したのだが、AKU EIGER Ⅲ GTXが条件に合いそうである。履いてみたところ右足の小指が少し当たる感じだが、これは現在使っている踵が少し厚いインソールを入れれば解決しそうだし、踵と足首のホールド感もぴったりである。おまけに今シーズンからモデル・チェンジ(インソールの変更だけ)とかで旧モデルがえらく安い。インソールはどっちみち自分の足に合った物と交換するので関係ない。1時間ほど試し履きをした後に購入する。


高校山岳部以来何足目の山靴だろうか。よく覚えていないが7〜8足ではないだろうか。今のは昔の厚い皮の山靴に較べると遙かに軽くなっている。ゴアテックスを使い防水性も良くなっていいる。昔は保温材など入っていない厚い革靴を毛糸のソックスを2枚履き、オーバーシューズを履いてからアイゼンを付けていた。冬山の朝、カチンカチンに凍った靴を履くのが一苦労だった。勿論夏冬兼用だった。
最近のビブラムは昔のに較べて岩への食いつきは良くなっているが減りが早いように思う。またミッドソールにポリウレタンを使っているのでクッション性は良くなっているが、経年劣化で突然ミッドソールが崩壊するのはいただけない。3〜4年で靴底の交換が必要になる。それに年々靴がカラフルになってきている。オレンジだ黄色だ、はては銀色だとカンレキ親父にはちょっと気恥ずかしい。AKUのこの靴は濃紺とグレーで許せる。7月はガイド登山で2度登らねばならぬ。

さて、山靴問題も解決したので昼食後、時間つぶしに上野まで出てからアメヤ横町をぶらつく。さすがに土曜日、混雑している。思ったより暑くはなかったが未進化人にアメ横はきつい。御徒町のドトールで休んだ後、15時に湯島の懐石料理屋へ。クボタ君も来る。早速現在入っているアクリル板に和紙を貼ったオブジェ?を取り外してびっくり。外したアクリル板のすぐ裏はサッシの窓となっていて、クリアランスが幾らもない。最初はシノブ君に木枠を作ってもらってそこにステンドをはめようと思っていたのだが、とても木枠を入れる幅はない。色々考えた結果、3枚に分けたステンドそれぞれをアルミと真鍮を使った枠に入れ、それを固定することにする。またライトボックスの光源だけでは不足なので、外からスポットライトを当てる工夫が必要なことも分かる。ちょっと面倒な工事が必要である。

続いて大ざっぱなデザインの提示をする。波の静かな海に光が当たったブルーを基調としたデザインとちょっと冒険であるが巨大烏賊のデザインを提示する。巨大烏賊には興味を持ったようだが、やはりというか海のイメージの物にして欲しいとのこと。デザイン・イメージも決まったので後は宴会である。ちょっと遅れてクボタ君の奥様もいらっしゃる。泡のきめ細やかに注がれた生ビール(田舎ではこういう繊細な泡のビールは先ず出て来ない)で乾杯後は、『而今』という三重の吟醸酒を一升瓶ごとワインクーラーに突っ込んで貰って美味しい懐石を肴にグビグビと飲む。

ふと気付くともう19時45分。新宿発20時40分の最終バスに乗らねばと急いで地下鉄に乗るが、隣の新お茶の水で下りるのを忘れて大手町まで行ってしまう。酒と寝不足で頭が回らぬ。戻れば良いものを、大手町の地下を丸ノ内線のホームまで走る。ヤバイ。間に合うか微妙である。「ま、間に合わなかったら朝まで新宿で飲んで朝帰りさ」と腹を括るが、新宿には20時35分に着く。シノブ君のSuicaで改札に手間取る。エイヤとばかり手でゲートをこじ開け、走る、走る。どうにか発車に間に合ったと思ったら、増発便のバスの列。また走ってすれすれ20時40分丁度に予約したバスに汗びっしょりで飛び込む。ヤレヤレである。その後は二人とも酔いも手伝って爆睡。目が覚めたら甲府双葉であった。そこから富士見まで眠ったら最後と頑張る。23時15分、無事カミサンの迎えの車に乗り込む。日帰りで買い物・打ち合わせに宴会はさすがにきつかった。

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都へ

一昨日、営業活動?と照明器具の取り付けの為に上京。照明器具は宅急便にて発送しておいたので、手ぶらで高速バスで行く。新宿まで2時間40分で運賃2500円位。運転嫌いなものだから時々利用している。便を選べば大抵は2人掛けのシートに1人で座れる。新宿でカミサンに頼まれたデパートでの買い物や山道具屋を覗いてから吉祥寺へ。吉祥寺は自分が育った街だが行く度に変わっている。改札口が増えたり、改札を出て直ぐの本屋が無くなっていたりでとまどう。ホテルに荷物を置き、スズキクンとの待ち合わせまで、久しぶりの吉祥寺を歩く。相変わらず人が多く、進化人と歩くペースが違うので人にぶつかって上手く歩けぬ。

先週、富士見の別荘に時々来るミズノヤさんが持ってきてくれた『吉祥寺 横町の逆襲』を読んでいたので、久しぶりに駅前のハモニカ横町に入り込む。自分が幼少の頃はこの横町のウダガワ模型店に小遣いを握りしめて通い、中学の頃は帰りに肉屋の揚げたてコロッケを店先でよく食べた。高校の頃は山岳部の先輩がやっていた間口一間奥行き一間半のジーパン屋の留守番をよく頼まれ、大学に入ってからはハモニカ横町で翌日は必ず二日酔いになる安酒をしこたま飲んでは議論し殴り合っていたものだ。で、久しぶりのハモニカ横町は『お洒落』な路地に変わっていた。赤提灯のガタピシいう引き戸を開けると、あのムッとくる燗酒の臭いする路地ではなく、スペインやイタリアのバル風飲み屋が店と路地の境を取っ払った形で並んでいるのが目に付き、異次元としてあった『闇市』『アンダーワールド』なイメージはもう全くない。ちょっと一杯と思ったが未進化人には入りづらい店構えばかりである。

6時に約束していたスズキクンと会う。スズキクンの仕事は何だかよく分からぬのだが、昔、大きな借りがある。彼の世界観は面白い。自らを『分析屋』と称している。今の欧州問題から中国の繁栄、現代芸術批判まで機関銃の如く喋る。「何、暇だったからづっと考え続けていた」と言うが、妙に腑に落ちることがある。「今の芸術家で売れているのは、作品の善し悪し以前に『説明』する奴ばっかだよ」とのこと。帰りに「自分が『美しい』と思った物が載ってる」と言って『世界で一番美しい種子図鑑』をくれる。ホテルに帰ってから『種子図鑑』を眺め、酔った頭は宇宙へと飛ぶ。

昨日は新宿に荷物を預けた後、出張料理人にしてエラーイ人であるクボタクンの家へ照明器具の取り付けに行く。午前中に到着予定の宅急便がなかなか届かずにイライラしていたら、12時数分前にやっと届く。『和』の照明器具を作って欲しいとのことで作ったのを取り付ける。娘のアイデアで『組木』をモチーフにしたもの。

その後、昼食に湯島の創作日本料理屋に連れていってくれる。外出していた奥様も来店して乾杯。この店、前々から一度行こうと言われながら延び延びになっていたお店。美味い。料理が繊細である。懐石をいただいたのだが、ちょっと一工夫が大胆でありながら繊細である。器は料理長の兄上の陶芸家と昔友禅染をやっていたお母上の作品とのことだがこれがまた良い。昼も夜も混んでなかなか予約も取れない店らしい。
大分食事が進んだ頃、奥様から提案が。「この壁面にステンドを入れられるかしら?」とのこと。何も考えずに食べ飲むことばかりに夢中になっていたので頭が混乱する。面白そうな場所である。取り敢えずスケールを借りて採寸する。頭の中に巨大な巻き貝が浮かぶ。

食事後、慌てて3時過ぎのバスに乗るべく新宿へ。JRは事故の影響で遅れていたがどうにかバスに間に合う。ところが高速は三鷹料金所近くでトラックの横転事故があったとかで、永福ICからずっと渋滞。普通なら20分も掛からぬ三鷹料金所まで2時間弱。出発間際にペット・ボトルのお茶を買っておいて幸いだった。4時間以上掛かってやっと富士見に帰って来る。

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学校登山1 西岳

今日は地元小学校の西岳登山。5・6年生合わせて36名に先生5名、父兄11名、ガイド2名で登る。夜中の雨も止んで朝から晴れる。但し午後からの雷雨の恐れがあるので例年より少しだけ早いピッチで登る。頂上では編笠・権現・赤岳と展望も効き、子供達も大喜び。

12時には下山を開始するが13時頃から雷が鳴り出し降られる。雨具を付け、予定より1時間半位早く登山口まで下る。

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酒飲みの天国にして聖地

昨日はドクトル・イタバシの診療所のケア・アパートに作品納入の為に上京する。朝7時前に出たのだが府中ICから三宅坂JKまでづっと渋滞につかまり、江戸川区北小岩まで4時間近くかかる。取り付けはガラス屋がサッとやってくれる。

午後は車を今夜泊まる上野に置きに行った後にもう一度電車で北小岩に戻り、診察が3時過ぎまでのドクトルと合流。なんでも『酒飲みの天国』に案内してくれるとのことで、京成江戸川のホームに着くや雷鳴轟き土砂降りとなる。半端な降りではない。吹き込むからと電車のドアも各車両一カ所しか開けられぬ。で、『天国』は葛飾区、京成押上線の『京成立石』という駅前にあった。まだ4時前だというのに目指す『モツ焼屋』の前には入れない客が列を作っている。暫く並んで入った店内はモツ焼きの煙で燻されて黒光りしており、小学校の教室半分位の狭い店内に数十人の客が肩をすぼめてひしめき、モツやらレバーを喰らっている。その中を白い上っ張りを着た恐ろしそうな店員が6〜7名忙しそうに歩き回り注文を聞いたり焼酎を注いだりモツ焼きの皿を配ったりしている。焼酎の梅割と数種のモツ焼を頼む。美味い。大ぶりに串に刺された半生レバーも軟骨もガツも美味い。とにかく美味い。今まで食べたモツ焼きなんぞ問題にならぬ。それにしても下町である。ネクタイをした客など誰もいない。かと言ってリタイヤしたシルバー世代だけというわけでもない。若い兄ちゃんも若い姉ちゃんもいる。聞くと店は2時の開店と同時に満員とのこと。梅割を3杯づつ飲み、10本ほど喰らった後、今度ははす向かいにある立ち食い寿司屋に入る。これまた美味いのである。100円の寿司を3人の板前が握っているが、廻ってはいないのである。ここの寿司も大ぶりであるがネタは新鮮である。小瓶ビール4本づつと共に10貫ほども食べたか。さてさて寿司屋を出たらまた別のモツ焼きやの前に開店を待って行列が出来ている。ドクトルによればこの店こそ最高に美味いモツ焼屋とのことで早速並ぶ。ここの軟骨やガツ生、これには参った。確かに美味い。ドクトルもワタシも焼き鳥なんぞよりはモツ焼が好きで、二人で結構あちこちで食べたがこんなに美味い店は初めてである。ここでも3杯ほどの梅割を飲む。もう『なぎら健壱』の世界なのだ。ディープな下町最高。

すっかり出来上がって、今度はディープ・ワールドからお洒落な街南青山に向かうも、さすがに酔っていた。二人とも電車の中で眠ってしまい、三つだか四つだか先まで乗り過ごす。さてさてこの店『南青山 オデオン』のドアや看板、階段室のステンドはワタシの作ったものが入っている。自分の作った作品を見ながら飲む酒というのも贅沢なものである。設計したクルハラ氏も来ている。お店にはワタシの大学のずっと後輩にあたるという美女も勤めていて、初対面。今夜の演奏はP:近藤正春、Vn:宮越建政、Vo:サユリ。ピアノとヴァイオリンとヴォーカルというのもなかなか面白かったが、如何せん飲み過ぎである。数杯の強炭酸ハイボールで激務続きのドクトルは船を漕いでいた。アリガトサン。上野のホテルには25時頃に着いた記憶が微かにあった。

今朝は何時もより30分寝過ごしたがそれでも5時半には目覚める。流石に身体はだるいが二日酔いはない。シャワーを浴びてから7時には朝食を食べ、昨日ドクトルの家に駐めたた車を回収して、途中来月1日に学校登山のガイドを頼まれている地元小学校で計画書を貰ってから11時には家にたどり着く。

それにしても『下町 立石』は凄い。今まで北千住や浅草界隈で飲んだことはあったが、『立石』には負ける。食のパワーが違うし安い。田舎では決して味わえない『美味さ』がある。一度こんな街にも住んでみたいと、ちょっと思う。だけどこんな街に住んだらきっと飲み過ぎ・食い過ぎで身体を壊すに違いないなとも思う。

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春はせわしなく

昨日の金環日食、ここら辺では快晴とあってよく見えた。netで仕入れた『日食グラス』をご近所の方々数人にも廻して楽しんだ。昔はガラス板に蝋燭の煤を付けて見たり、レントゲン写真をかざして見たものだがよく眼を傷めなかったものだ。

それにしても春は忙しい。今月中の納入作品を必死に作っている。従って薪割もまだ終わらないのだが、今度は庭の草が伸びてきた。いよいよ草刈もせねばならない。傷んだ網戸の張り替えもせねばならない。                                     

暗くなると森でギーギーと鳴いて餌をねだるフクロウの子供も見に行きたい。
3匹の子狐は『北の国から』の蛍を真似して「るー、るる、るー」と毎日呼びかけていたら、声を聞いて必ず現れるようになった。

やることだらけである。

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