ラッセル泥棒とか・・・

冬山できついラッセルを続けていて、ふと後ろを振り返ると声が届くか届かないくらいの距離で後ろから登って来るパーティーがいたりする。やれやれ彼等が追いついたらラッセルを交代してくれると一休みすると、後ろのパーティーも一休みしたりする。仕方ないと諦めてラッセルを開始しても後ろのパーティーは休んだままだ。ところが暫くして振り返ると微妙な距離を取りながらついてくる。いわゆるラッセル泥棒である。昔、故ナカムラのタッチャンと旭岳東陵に行った時だったかこのラッセル泥棒にしつこく追従された。怒ったタッチャンがいきなりザックを放り出し「ワッー!」と言ってピッケルを振り上げて10mほど駆け降りたら、追従パーティーの3人もビックリして回れ右をして駆け下って行った。結局、この時はその先の深いラッセルにすっかり嫌気がさして敗退することにしたのだが、下りの途中で追いついた3人パーティーは女性3名であり、それを見たタッチャンはデレッーとした顔で「イヤ、その熊がいたもんで・・・」とか何とかテキトーなことを言い出し、挙げ句の果て彼女らが同じ京都から来ていたパーティーと知るや否やすっかりご機嫌となり、一緒にワタクシの車にぎゅう詰めになり、麓の蕎麦屋に上がり込んだのである。

何でこんなことをひょっと思い出したかと言うと、今朝ダリ散歩に行ったら、ワタクシがスノーシューでラッセルした跡に鹿の足跡が続いていたからである。彼等もあの細い足でスノーシュー無しで歩くよりは人様のラッセル泥棒をする方が楽と考えたようだ。きっとメス鹿に違いない・・・DSCF7244(変換後)

先日来の大雪で通行止めとなっていた中央道が今朝からやっと開通したので、カミサンは入院中の自分の母親の見舞に都へと出掛けた。県道から外れた除雪も酷い雪道を高速のバス停まで送ったのであるが、高速道路脇に雪はあるものの車線には全く無い。バス停もきっちり除雪してある。流石である。DSCF7238(変換後)

で、思い出したが、これまた大昔の話である。甲府市内の設計事務所で打ち合わせをした後、そこで御馳走になった。車ではあったが、そこはそれ大昔であるから当然アルコールも入る。いい加減御馳走になり外に出てみたら凄い降り方で既に10cm以上積もっている。慌ててまだ開通したばかりの高速ICに行ったらまだ通行止めにはなっておらず、すんなり入れた。もう真っ暗でライトに向かって降ってくる雪は座布団の如くでかい。些かというか、かなり酔っている。ついつい自分に向かって来る座布団一つ一つに目がいき、ますます酔いが回る。ここで事故ったら馬鹿であるとワタクシはレイセイに判断して、酔い覚ましに双葉サービスエリアに入ってコーヒーを頼むが、入ったレストランに客は誰もいない。そこにヘルメット姿の警官2名が近づいて来る。ヤバイ、飲酒がバレる!「もしもし、どちらまで行かれますか?」と聞かれ、口元にコーヒー・カップを押し当てなるべく息が出ないようにして「小淵沢まで」と答える。「そうですか。四駆ですか?スパイク・タイヤですか?」「ハイ!」「いつ通行止めになるか分かりませんが、気を付けて」とバレずに済む。ところが走り出した高速道にはまるっきり轍の跡がない。不思議な感じである。もうただ真っ白である。反対車線には時々車が来るが、下り車線は誰も走っていない。既に20cmは積もっている。それからが怖かった。まるで夜中に一人でラッセルしている感覚である。当時は確か甲府昭和ICの次はまだ小淵沢ICしか出来ていなかったように思う。時々どこを走っているのか分からなくなる。酔った頭では時間感覚もおかしい。やっとその先が通行止めになっている小淵沢ICに着いた時には心底ホッとした。料金所の親爺さんが「双葉サービスエリアから連絡があり、黒いピックアップが着いたら連絡くれと電話があったので待っていたけど随分と時間かかったね」と言われたものである。昔はノンビリしていたのである。

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