ザブトン雪

朝7時過ぎから雪が降りだす。おまけに風も強い。10時過ぎ頃からはザブトンほどじゃなくて直径3〜4cmほどのバカでかい雪の粒が降りだす。ま、気温0度位で降っているのだからこんなものかと思うがそれにしても異常!
窓の外を見ていると眼がおかしくなる。

そういえばもう30年程前だったか、豊田市で2月だかに個展をやったことがあった。紹介されたギャラリーの企画展だった。豊田市がトヨタの城下町とは知ってはいたものの、どうせ大して売れないだろうと、30点ほどの大物の照明器具を搬入以後、丁度他の仕事に追われていたこともあり、途中でギャラリーには行けなかったのである。個展期間も終わり売れ残った作品を車に運び込む手伝いにヨシユキさんを頼んで日帰りで行ったのであるが、驚いたことに完売していてビックリ。
ギャラリーのご主人が大変喜んで下さり、昼食をご馳走になったのであるが、休んでから帰ればいいし、旨い日本酒があるからと、どんどん注いでくれる。「いやいや日帰りですから」と言い、ついつい旨い酒にぐい呑を差し出したりして・・・夕方になりひょっと外を見るとすごい勢いでザブトンのようにでかい雪が降っている。こりゃ東名が通行止めになると慌てて失礼して東名に入ったのだが、名古屋あたりからスリップする車が続出。緩い高速の上り坂も登れずに横向きの車もいる。ワタクシは4駆だしスタッドレスも履いているので右往左往している都会車の間をすり抜けすり抜け春日井インターまでたどり着いたのだが、車があっちこっち向いて止まってしまっている。その時ちょうど全面通行止めが発令されたのか高速隊や自動車公団が通行止めのパイロンだかを並べ始めたのだが、何かの拍子にというか、立ち往生している車を避けながら、ひょいとパイロンの脇をすり抜けてしまったのである。もう時効だから言えるけれど、後ろで警官が止まれ!止まれ!と笛を吹きながら旗を降って追いかけてきたのだが、そのう、あのう、ちょっとアレをソコソコ飲んでいたもので・・・おまけに懐には照明器具30点分のゲンナマ!
もう気分は完全に『明日に向かって撃て』である。後は通行止めの直前に入った何台かのノロノロ都会車を追い越し追い越しで中央道に逃げ込んだのである。
ヤレヤレ、一安心、これで今日中に帰れるとヨシユキさんとバカ話をしながら中央道を走ったのであるが、岐阜あたりの雪もバカでかい雪で、ワイパーを動かして走るとそのバカでかい雪の一粒一粒がヘッドライトの光の中、ゆっくりと自分目がけて近づいてくるのが見えるのである。いや、見えるというよりもどうしても眼の焦点がその一粒一粒に合ってしまうのである。サイワイ走っている車もほとんどなくて助かったのであるが、まるで宇宙だか異次元を走っているようでマコトに恐ろしい思いをした。

やっと辿り着いた伊北インター手前ではチェーン規制をやっていて、4駆スタッドレスであるからOKが出たのであるが、中央道は真っ白な圧雪であった。それなりにスピードを落として走っていたら後ろから猛スピードで追い抜いていく車。300〜400m程先であろうか、その車が右側ガードレールに接触。コマみたいに一回転した後、走行車線側のガードレールにも接触、スピンしながらこちらに向かって吹っ飛んで来る。ヘッドライトが回転しながら近づいてきて、あれは恐怖だった。どうハンドルを切ったかよく覚えていないがスレスレでぶつからずに済んだが、すれ違う寸前に恐怖に引きつった運転手の顔が見えた。

ワタクシがまだ独身で、田舎では飲み屋にも駐車場があり、車で飲みに行くのが当たり前の時代の話しである・・・

 

雪の中、ワタクシが嫌いな首の長い鳥、ゴイザギがいかにも寒そうに「春なのにこりゃ詐欺だろ」という顔をして首をすくめている。

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